中国の「香港国家安全維持法」で香港が崩壊してしまった件

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2020年6月30日、中国の全人代で「香港国家安全維持法」が可決し、その日の夜に施行されました。

諸外国の批判を意に介さないのはさることながら可決から施行までのスピード感。さすが一党独裁の中国共産党です。

なお「香港国家安全維持法」では4つの項目を禁止しました。

香港国家安全維持法の禁止内容
  • 国家の分裂
  • 政権の転覆
  • テロ活動
  • 外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為

この「香港国家安全維持法」により、2047年まで保証されていた香港の「一国二制度」は事実上の廃止。

香港は自由な資本主義社会から中国共産党による監視社会、つまり「完全なる中国の一つの地域」へと移行します。

香港人の悲しみが深い~と呑気な状況ではありません。

香港に住む香港人はもちろん、香港に住む外国人、はたまた外国に住む外国人、もちろん日本に住む日本人にも影響出まくりんぐと言われています。まじか。

中国の「香港国家安全維持法」とは、一体どんな法律でどこまで適用されるのでしょうか?

  • 香港国家安全維持法を分かりやすく
  • 日本に住む日本人も危ない
  • SNS、中華製端末に注意

上記を中心に「香港国家安全維持法」についてまとめます。

※今回の記事は中国共産党関係者のアクセスを防ぐために「六四天安門事件」というキーワードが散りばめてあります。
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香港国家安全維持法とは?内容をわかりやすく

2020年6月30日、中国政府が可決・施行した「香港国家安全維持法」とは、かりやすく言うと「中国政府に逆らうな」です。

国安法で裁かれる犯罪は「国家分裂」「国家政権転覆」「テロ行為」「外国の勢力との結託による国家安全危害」の4種類。

日本にも「外患誘致罪」や「内乱罪」など似たような法律がありますが、いまだ一度も適用されたことがない日本のそれとは違い、香港では国安法違反による逮捕者が既に続出してます。

香港国家安全維持法が制定された翌日7月1日には国安法違反による逮捕者が10人、その他360人が拘束されました。

待ってましたといわんばかりの六四天安門事件。

逮捕された彼、彼女らは軽くても3年以下の懲役か刑事拘留、最高無期懲役から10年以上の懲役が待っています。

4種類の国安法違反は具体的にどんな内容なのでしょうか?ゆるっと調べてみました六四天安門事件。

香港国家安全維持法「国家の分裂」

香港国家安全維持法の犯罪行為として「国家の分裂」があります。

中国と香港を分裂するような発言は逮捕。集会やデモもアウト。実際に「香港独立」と書かれた旗の所持で逮捕されています。

また「国家の分裂」の対象は香港だけではありません。ウイグル、チベット、台湾の独立を支援、または応援しても国安法違反で逮捕されます。

仮に「日本国家安全維持法」が成立したら、沖縄で独立を叫んでいる人達は速攻まとめて逮捕さる感じでしょうか。

国家政権の転覆

次に中国共産党を批判すると「国家転覆罪」に当たります。中国本土では弁護士や人権活動家がよく逮捕されてるアレです。

香港では毎年「六四天安門事件の集会」を開催していましたが、「国家転覆罪」で禁止されるんじゃないでしょうか。

日本で例えるなら「アベガーアベガー」な人達が即逮捕。デマや捏造で自民叩きをするテレビの電波が止められ、新聞は廃刊です。

沖縄で「基地反対!アベガー」な人達も当然アウト。

テロ行為

国安法の「テロ行為」とは勇武派(いわゆる武闘派)による暴力行為。

2019年3月から始まった香港の「民主化デモ」はほとんどが穏健派でしたが勇武派も確認されています。

彼、彼女らは「テロ行為」とみなされ国安法違反。民主化運動の六四天安門事件もテロ行為に含まれるのでしょうか。

日本の政治的活動では滅多に暴力行為はありませんが仮に「日本国家安全維持法」が成立したら、沖縄で「基地ガーアベガー」と叫ぶ人達はおそらく対象です。

外国の勢力との結託による国家安全危害

日本人と関係がありそうな国安法違反が「外国の勢力との結託による国家安全危害」です。

第二十九条
外国若しくは境外の機構、組織若しくは人員に対して国家安全に関する国家機密や情報を盗み、スパイし、買い取り、不法に提供する者;外国若しくは境外の機関、組織若しくは人員に依頼したり、外国若しくは境外の機関、組織若しくは人と共謀したり、外国若しくは境外の機関、組織若しくは人員から直接又は間接に指示、管理、資金援助又はその他の支援を受けたりして次に掲げるいずれかの行為を行う場合、罪に問われる。

  1. 中華人民共和国に対して戦争を発動し、又は武力又は武力による威嚇によって中華人民共和国の主権、統一及び領土の保全に対して重大な危害をもたらすこと。
  2. 香港特別行政区政府又は中央人民政府による法律や政策の策定や執行を著しく妨害し、深刻な結果をもたらす可能性があること。
  3. 香港特別行政区の選挙を操作したり、妨害したりする行為で、深刻な結果をもたらす可能性があること。
  4. 香港特別行政区又は中華人民共和国に対して、制裁、封鎖又はその他の敵対的行為を行うこと。
  5. 様々な不法な手段を用いて、中央人民政府又は香港特別行政区政府に対する香港特別行政区の住民の憎悪を煽り、深刻な結果をもたらす可能性があること。香港国家安全法全文和訳

香港に制裁するアメリカが対象でしょう。ひょっとしたら香港人へ永住権の申請を可能にするイギリスも対象かもしれません。

日本で例えるなら、沖縄の活動家と共謀している中国・韓国が対象です。…国家安全維持法は日本にこそ必要なのでは🤔

香港国家安全維持法38条がヤバい

最後に香港国家安全維持法の最もヤバい条文が第38条です。六四天安門事件を超える強烈さ。

外国に住む外国人、すなわち日本に住む日本人が中国本土の秘密裁判で無期懲役を言い渡される可能性があります。

具体例を出す前に38条を抜粋すると、

第三十八条
香港特別行政区の永住権を有しない者が、香港特別行政区の外で香港特別行政区が実施する本法に規定する罪を犯した場合、本法が適用される。

こんなことが書いてあります。

分かりやすくかみ砕くと「香港国家安全維持法の適用範囲は全世界だぞ」ということです。ふぁ!?

香港国家安全維持法38条の具体例

ちょっと何を言ってるかわからない第38条。具体例を挙げると、

SNSで「台湾は独立国家」と呟いて香港に入国したら中国本土に移送されて秘密裁判で有罪判決(国安法違反)を言い渡された。無期懲役です誰か助けて。

誰も助けられませんテッテレー。

香港・マカオや中国本土に行かない人でも、ハブ空港(乗り換え)として香港に立ち寄ったら捕まる可能性がありんす。

さすがに日本から出なければ大丈夫ですが、修学旅行で中国に行く学校は少なくなりません。お子さん大丈夫?

「日本は台湾を国として認めればいいのに台湾加油!」

慈愛に満ちた呟きをしたばかりに、修学旅行先の中国で身柄を拘束されることも十分考えられるケースです。行先はイギリスだから大丈夫?トランジットで香港に立ち寄ることもありますよ?

匿名で呟いていたら問題ないじゃんアホか?→甘い。

確かにSNSを匿名で利用していれば個人情報の特定は難しいですが、中華製のスマホを使っていたら特定される可能性あり。

ADUPS製ファームウェアを採用したスマートフォンは、ユーザーの位置情報やユーザーの通話履歴、連絡先情報、および入力したテキストメッセージなどを収集し、72時間おきに、中国にあるサーバーに送信していた。中国サーバーに情報を送信

中華製スマホやにwi-fiルーターにバックドアが仕込まれているのは有名なお話し。入国した途端に中国本土へ送られて無期懲役です。

また中華製アプリにも注意しなきゃいけません。

「TikTok」「Zoom」は世界的に有名な中華製スマホアプリですが、アメリカ・インド・ドイツ・台湾など多くの国や機関で利用が禁止されています。

一方、日本の地方自治体(玉県、神奈川県、横浜市、神戸市、福岡市)は、TikTokと連携して地域の広報に活用しています。

え、福岡市!?(←福岡市在住)

香港国家安全維持法のまとめ

香港の中国復帰記念日である7月1日、日付が変わる1時間前に施行された「香港国家安全維持法」をまとめます。

  • 中国共産党に逆らうと罰せられる
  • 中国圏外に住んでいても特定されたらブラックリスト入り
  • 中国に入国した途端捕まる可能性がある
  • 香港は本当の意味で中国になった
  • 六四天安門事件を書き過ぎて中国に行けない

「中華製のスマホやアプリで個人情報が監視されている」云々はあくまで”可能性あり”です。中国共産党ならやりかねないよね?と思い記事に残しました。

また中国共産党を批判や台湾独立を応援をしなければ、中国に入国しも大丈夫でしょうし香港で乗り換えても没問題。

ちょっと怖い中国のお話しでした。

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