中国派閥「習近平派vs江沢民派vs胡錦濤派」と国際社会の関係

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中国の派閥争いが再び慌ただしくなりそうです。

テレ朝のニュース番組「ワイド!スクランブル」でコメントした小松靖アナウンサーの「ウイグル発言」が物議を呼びました。

「ワイド!スクランブル」は朝日系列では非常に珍しい”右寄り”な番組のようで、その日はウイグル族の人権問題で対立しているアメリカと中国についての内容を報道。

番組内で小松アナは「ウイグル問題は扱いにくい」「中国当局のチェックが入る」「報道機関ではタブー」とコメント。

続けて「西側メディアも伝え始め我々も報じやすい素地ができた」とし、中共内部にウイグル問題を出して権力構造を変えたいという動きがあるのでは」と発言しました。

この発言に対してネットユーザーの反応は

  • よく言った尊敬するわ
  • 踏み込んだ発言だが小松アナが心配
  • ワイドスクランブルは朝日の良心
  • 報道しない自由の理由
  • 中国のチェックって何!?
  • 中国共産党に監視されてるのか

など、番組(主に小松アナ)を賛美するものから、日本のマスコミが中国共産党の監視下におかれていることを危惧するコメントが拡散されました。

中国のチェックとは、放送された番組を中国共産党に視聴されることで、事前に許可をもらうような統制下にあるという意味ではないと思います。

それよりも気になったのは「権力構造を変えたい動き」という点。

中国は中国共産党による一党独裁政権ですが、中国共産党というとても大きな一括りの中にざっくり3つの派閥が存在しています。

そして「権力構造を変えたい動き」という発言。むむ、ひょっとして終身国家主席の習近平やばたん?

小松アナの発言した「権力構造」とは違うかも分かりませんが、今回は中国の三大派閥「習近平派・江沢民派・胡錦濤派」について書いていきます。

近代の国際ニュースを読むのがちょっと楽しくなるかもです。

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中国共産党の三大派閥はゆるゆるだが仲が悪い

中国共産党内には3つの派閥が存在し、権力争いが絶えません。

派閥といっても所属が明確に仕切られているわけではなく、3派閥に属している人がいる程度にふわっとしているようです。

中国共産党の派閥
  • 上海幇(しゃんはいばん)
  • 共青団(きょうせいだん)
  • 太子党(たいしとう)

中国共産党の上海幇(江沢民派)

中国共産党の3派閥といえば、上海市長時代のネットワークを使って基盤を築いた元国家主席、江沢民(こうたくみん)の派閥。

拠点が上海にあるため上海幇(しゃんはいばん)と呼ばれています。

中国最大の商業都市である上海に加え、アジアの金融ハブであった香港も江沢民の重要な拠点でした。

中国国内では江沢民といえば汚職王、最も裏のある国家主席。江沢民一族の資産は1兆ドルとも言われています。

自らが後押しした習近平に裏切られ政界でのパイプを失いかけているそうですが、1兆ドルの影響力はまだまだ健在。

日本では反日国家主席として有名ですね。

中国共産党の共青団(胡錦濤派)

逆に比較的親日だったとされる胡錦濤(こきんとう)前国家主席。彼は中国共産主義青年団の出身でした。

そのことから中国共産主義青年団は胡錦濤派、江沢民と対立関係にあったことから北京閥(ぺきんばん)とも呼ばれていました。政権が変わり、今の北京閥は習近平のようです。

中国共産主義青年団とは、中国共産党の指導による若手エリートの養成組織。略して共青団(きょうせいだん)

かつて共青団は「中国共産党トップへの登竜門」と言われていましたが、現在は習近平に圧縮されほぼ力を無くしているようです。

日本からのODAに感謝の意を述べたり反日教育の緩和を試みたり比較的親日?日本人にとってはありがたい存在でした。

中国共産党の太子党(習近平派)

ふわっとしている中国共産党の3派閥の中で、最も所属がはっきりしないと言われているのが「太子党(たいしとう)」です。

太子党とは中国共産党の高級幹部の子弟グループ。太子とは王子やプリンスを意味し、特権的地位にいる者達を指します。

要するに中共幹部の世襲党員のことなので、共青団とは反対の位置にいる派閥と言って良いでしょう。

また、親が属したグループの違いによって太子党同士で対立することもしばしばある模様です。

「太子党」の中でも毛沢東と一緒に革命に参加した党幹部の子弟は「紅二代(こうにだい)」と呼ばれ、エリート中のエリートだそうです。

それ以降の平和な時代の幹部らの子弟は「官二代」と呼ばれ、ふわっとしている「太子党」の中でも区別があるんですね。

「紅二代」の代表的な人物の1人が習近平。今の国家主席です。

彼は歴代の中国共産党員の中で最も毛沢東に近いと言われる人物。ゆえに近代中国の太子党は「習近平派」とも言われています。

ちなみに世襲議員の安倍首相も中国人曰く「太子党」に入るそうです。

国際社会に影響する中国共産党の派閥争い

中国の3派閥などとと言われていますが現在の胡錦濤派は虫の息。実のところ習近平派と江沢民派の一騎打ちの状態と言って良いでしょう。

中国国内だけで争ってくれれば良いのですが、習近平派と江沢民派の争いは国際関係にまで影響を及ぼしています。

※ここから先は陰謀論ぽくなってくるので話半分に読んで下さい。

香港民主化運動は派閥争い説

「香港国家安全維持法」で決着した香港の民主化運動は「習近平派と江沢民派の代理戦争論」が囁かれていましたね。

中国の「香港国家安全維持法」で香港が崩壊してしまった件
2020年6月30日、中国の全人代で「香港国家安全維持法」が可決し、その日の夜に施行されました。 諸外国の批判を意に介さないのはさることながら可決から施行までのスピード感。さすが一党独裁の中国共産党です。 なお「香港国家安全維持...

江沢民の牙城である香港はアジアの金融拠点として有名ですが、中国共産党をはじめアメリカ民主党やヘッジファンドの資金洗浄地域としても知られています。

また北朝鮮のペーパーカンパニーが100社を超え、核兵器開発のための資金を調達していると米CNNが報じています。

要するに、タックスヘイブン化された香港には汚いお金が集まり、江沢民と江沢民派の海外勢が私腹を肥やす場となっていました。

そこにメスを入れたのが習近平です。汚職を浄化する正義感というよりも江沢民派懲らしめたろの精神。

江沢民にダメージを与えるだけでなく上手くいけば香港市場を奪えるかも?とはいかず、アメリカの制裁により香港は金融ハブとしての機能を失います。

痛手を負ってでも習近平は香港を潰したかったというわけです。

中国政府は「国安法は53ヶ国が支持を表明している」と発表しました。ただし、それらの国は習近平が提唱した一帯一路を主体とする”中国に投資されている国々”です。

「香港国安法を賛成=習近平派」

逆に国安法を非難したのは日本や英国、ドイツ、フランスなど27カ国。アメリカとインドは独自に制裁を加える姿勢にあるので、この共同声明には参加していません。

賛成も非難もせず、だんまりを決め込むお隣さんは置いておいて「国安法を非難派」は様々な思惑が交錯していると考えます。

非難派のド本命は江沢民派勢力。イギリスの金融、アメリカ民主党、ヘッジファンド、そして日本の民主系などです。

香港デモを支持し、積極的に中国共産党(習近平)を非難しました。

民主党が非難したのに驚いた人も多いようですが江沢民派勢力ならなるほど納得。2位じゃダメな人は上海に縁がありますし。

対抗が香港市民の人権を尊重する人達や国。

他には派閥関係なく中国と対立するインドなど。あ、北朝鮮は非常に困っていると思います。資金の流れが止められますが立場上非難できません笑。

という具合に、香港国安法を批判する勢力は右と左、反中親中など様々な思惑が交錯しているのが分かります。

言い方を変えるなら「習近平さん敵を作り過ぎぃ!」です。

周庭氏は江沢民派なのか

そんな背景を知ってか知らずか、日本でも有名になった香港デモの周庭(アグネス・チョウ)を怪しいと思う人がいるようです。

確かに周庭氏は「江沢民派」とされる日本民主党やSEALDsと接しているようですし、本当に「江沢民派」の可能性も微レ存。

しかし個人的には「江沢民派」の民主党やSEALDsが一方的に支持しているだけのように思えます。

そもそもツイッター主「MaaRUKA」は保守的な呟きをする日本人のように思えますが、肝心なところで習近平を非難しない傾向があり、「MaaRUKA」こそ五毛党(中国共産党のネット工作員)では?という指摘もあります。

アメリカの抗議デモは「江沢民派」の仕業

「MaaRUKA」はアメリカの抗議デモを引き合いに出し、世界中で行われているデモは本質的には同じだと説きました。

世界中の全てのデモが「江沢民派による暴力革命」と断ずるには乱暴過ぎると思いまし、それを理由に対立する習近平をフォローするのも無理筋な感じがします。

アメリカの抗議デモは、大統領選に向けて「アメリカ民主党」「ジョージ・ソロス」「アンティファ」が仕掛けた説は個人的に納得ですが。

江沢民の仲間たち
  • 江沢民派
  • 中国系の通信企業
  • アメリカ民主党
  • オバマ元大統領
  • ジョージ・ソロス
  • ウオール街
  • アンティファ
  • 北朝鮮
  • 日本民主党

オール江沢民とまでは言いませんが、深~い繋がりがあると言われています(多分もっとある)

これらの個人、組織はトランプ大統領と対立し、同時に習近平にとっても邪魔者なので「トランプと習近平は繋がっている」という説をちょいちょい見かけます。

トランプと習近平のマブダチ説はなしよりのなし。二人はプロレスしているとか?え、割とガチで殴り合ってますよ?

トランプ大統領は香港に認めてきた優遇措置を停止する手続きしてますし、歴代の米大統領で最も台湾と仲良しです。

確かに規制を厳しくしている中国の通信企業は江沢民派と言われていますが、対立組織が共通しているだけで手を組んでいるとは想像できません。

トランプ大統領は「江沢民派」「習近平」の両方、要するに中国共産党そのものと対立していると思います。

そういえば最近はソフトバンクの良い噂を聞きませんね。

中国共産党の派閥争いは複雑ですが、うっかり手を組んでしまうとアメリカの制裁対象に入ってしまいますよ。

中国共産党の派閥まとめ

中国共産党の3派閥「上海幇」「共青団」「太子党」について書きましたが、中国内部はもちろん国際的またインターネット上でも非常に複雑な関係です。

所々で敵の敵だから味方?みたいな動きも見られますし、深読みするほど陰謀論めいた話になってきます。

冒頭の小松アナが発言した「権力構造を変えたい動き」とはテレビ局内のことなのか、それとも江沢民派の復権に関わることなのか?

非常に気になるところで今後も”チャイナウォッチ”が捗ります。

最後になりますが、中国共産党についてどうでもよい豆知識。

中国人の人口14億人のうち9000万人が中国共産党員です。その数およそ6%で15人に1人が中国共産党員という計算になります。凄く多いです。

15人に1人で調べたら日本における「うつ病」の有病率と同じ数値で草。

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