新型コロナウイルスの検査について、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長のツイッターが物議を醸しました。
新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備。#コロナ検査有志
— 孫正義 (@masason) March 11, 2020
およそ3年ぶりの更新。
余のため人のための様に思えますが、多くの著名人からもツッコミが殺到するほどの大炎上。
検査したくても検査してもらえない人が多数いると聞いて発案したけど、評判悪いから、やめようかなぁ。。。
— 孫正義 (@masason) March 11, 2020
で2時間後に撤回。
孫社長に悪気はないように思えますが(話題性を作ろうとした感じはする)一体何が問題だったのでしょうか。
新型コロナウイルスPCR検査の真実
新型コロナウイルスのPCR検査についてとても分かりやすい具体例があったので追記します。
PCR検査の精度
- 感度:70%(感染者が検査で陽性と出る確率)
- 特異度:90%(健康人が検査で陰性と出る確率)
1000人の中に20人の感染者がいる集団全員に検査を行う場合、検査の結果は下の表のようになる。
感染者 | 健康者 | 合計 | |
---|---|---|---|
陽性判定 | 14人 | 98人 | 112人 |
陰性判定 | 6人 | 882人 | 888人 |
合計 | 20人 | 980人 | 1000人 |
この表から分かる事。
- 1000人検査したら、陽性が112人、陰性が888人となった
- 陽性112人のうち、実際に感染者は14人しかいない
- 陽性112人のうち、実際には健康人が98人もいる(偽陽性)
- 陰性888人のうち、実際には感染者が6人いる(偽陰性)
つまり、感染疑いのない希望者全員に検査を行った場合に考えられる事態は以下。
- 健康人を感染者として扱ってしまう
→ 不要な自宅待機(隔離)、不要な経過観察、不要な医療資源消費 - 感染者を健康人として扱ってしまう
→ 感染拡大リスク増大
全数検査は国内に混乱を招きたい人が行う主張。
新型コロナウイルスの検査問題
3月11日、WHOが新型コロナウイルスをパンデミックと認めました。
「パンデミックであると言える」
奥歯に物の挟まったような言い方ですね。往生際が悪い。

新型コロナウイルスは既に全世界に蔓延しています。感染者数・死亡者数ともに毎日更新。
- 中国:80,793人(3,169人)
- イタリア:12,462人(827人)
- イラン:9,000人(354人)
- 韓国:7,869人(66人)
- 日本:676人(19人)
※3月12日の国別トップ4と参考までに日本の数値を入れました。
まずこの数字自体に大した意味はありませんし、中国とイランの数字は全く信用できないことを最初に言っておきます。
感染者の把握に力を入れた韓国
韓国は「とにかく検査!」ということでドライブスルー式の検査方法を取り入れ、症状があるなし関わらず感染者を数えました。
「検査能力が凄い」「隠さず公開している」など韓国アゲしている国内のメディが数多くありました(今でもちょっとある)
感染者数の割に死亡者数が少ない理由がそれです(一般的には致死率2~3%だが韓国は0.8%)
イタリアも韓国と同じように「まず検査!」対策を取りました。
おかげで感染者の発見はできましたが致死率は6.6%と本場の武漢市より大きい点が異質です。
過度な検査は医療崩壊を招く
新型コロナウイルスの検査を積極的に行った結果、陽性(感染している)と診断された人は病院に行きました。
症状が軽い人も症状が無い人も「陽性だったしいっちょ診てもらうか」と病院に足を運び、病院は患者さんで溢れかえります。
キャパを超えた病院はパニック状態。重体患者の治療ができない「医療崩壊」が起こります。
イタリアの高い致死率の理由がこれ。
財政緊縮策の一環として医療費削減を進めてきたタイミングの悪さも背景にあります。それにしても今のイタリアの医療現場はまさに戦場。
ミラノからの衝撃的な証言「60代以上の人には挿管しなくなった。状況は非常に深刻です。若い人や他の病状のない人を選んで挿管する人の選択を開始する必要があった。多くの人が換気補助を必要としていますが全ての人に機械的換気はできません」(ないと死に至ります)
https://t.co/3ul4KUF5d6— ヴィズマーラ恵子🇮🇹 (@vismoglie) March 9, 2020
60歳以上の重体者は見捨てられるところまで来ています。
「医療崩壊」怖い
何が怖いって新型コロナウイルス以外の病気、例えばインフルエンザにかかっても治療できません。
骨折程度じゃ追い返されると思います。廊下で集中治療を行うくらいですからね。
ちなみに韓国でも自宅で亡くなる人が出る程度の医療崩壊は起きているそうです。
日本における新型コロナウイルス対策
冒頭の孫社長のツイッターにも「医療崩壊」を心配した多くの人がツッコミを入れました。
もちろん賛成意見もありましたが、そもそも今の検査方法では前述した通り正確な診断結果が出ないとされています。
「多分感染してるっぽい」
この程度です。
「感染してないんじゃないかな」
いまいち安心できません。
日本政府の検査方法がイタリヤや韓国とは違うことは確かです。手を上げれば検査ができる環境にはありません。
でも結果的に「医療崩壊」のリスクを減らしているのも事実です(むしろ今は病院が空いているまである)
確実な治療法が確立できない状況で「100万人検査する」という提案をするくらいなら、
「携帯料金を安くせいハゲ!」となるわけです。
「ヤフーオークションのマスク転売を何とかせい!」とツッコミが入るわけです。
やりましょう。
マスク100万枚寄付します。
介護施設と開業医へ。
調達の為の発注完了。 https://t.co/vqq0jBeAvm— 孫正義 (@masason) March 12, 2020
とりあえず検査は撤回しマスクを手配することにしたようです。んん?マスク?
海外の工場に直接発注しました。 https://t.co/7T9tVSxniY
— 孫正義 (@masason) March 12, 2020
んん?海外?
日本でマスクを買い漁り祖国へ送った中国人が叩かれましたが、それと全く同じことをしてますよ社長?
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