福岡市の小学校では入学した子供達に「あるモノ」が配られます。
【Qottaby(キューオッタバイ)】と呼ばれる端末で、持ち歩いている子供の「位置情報」が分かるシロモノです。
「子供用GPS」を想像すれば分かりやすいと思いますが、厳密にはGPSではありません。お試しで使ってみたものの「機能面でガッカリする人」が続出しています。
- 子供の位置が分かるようで分からない
- サーバが弱くて繋がらない
- 毎月528円の価値は無い
ツイッターでも否定的な意見が多いようですね。後ほど詳しく解説しますが、オプションの有料サービスは個人的にも「使えないな」と思いました。
有料サービスに申し込まなくても「Qottaby」は活用できます。
無料版は行方不明など非常事態発生時に「警察が位置情報を知るだけ」に利用されます。
無料といっても「年に一度の電池交換」や「紛失リスク」があるため、それはそれで面倒なものを持たされた感はあります。
そんな賛否両論ある「Qottaby」ですが、今回の記事で「サービスの詳細」や「メリットとデメリット」などを解説します。
Qottaby(キューオッタバイ)を知ろう
Qottaby(キューオッタバイ)について概要を解説します。
Qottaby(キューオッタバイ)とは
Qottaby(キューオッタバイ)とは九州電力が提供する「見守りサービス」です。
「見守り端末」と「見守りアプリ」を使って見守りたい人の「位置情報」を把握することができます。
システムは株式会社ottaが開発し現在も運営している「otta(オッタ)」が元になっている、というかガワだけ変えてリリースした感じですね。
オリジナルの「オッタ」を博多弁にして「オッタバイ」で良いものを九州電力の「九」まで組み込んだおかげで「キューオッタバイ」と欲張りなネーミングになっています。
otta公式サイトとQottaby公式サイトは別物ですが作り自体は全く同じでアプリ画面も同じ。恐らく互換性もあると思います。
ちなみに株式会社ottaは東京では東京電力、関西では関西電力と提携していますが、福岡市のように「市内全校」で採用するのは初だそうです。
Qottabyのメリット
Qottabyもottaも位置情報を検知するシステムです。
「位置情報」といえば「GPS」を想像する人が多いと思いますが、Qottabyで採用している通信方式は「ビーコン」です。
「GPS」と「ビーコン」の違いを説明すると長くなるので省きますが、ビーコンのメリットは「低コスト」ですね。
端末の価格が安い。バッテリー消費量も低い。「導入と維持」のコストが格段に安いため手軽さが売りになっています。
ビーコンのようなIoT技術は福岡市でも力を入れている分野です。
2019年8月「Qottaby」は福岡市の「実証実験フルサポート事業」に採用されました。
現在、福岡市内に通う小学生には2,000円ほどの「お守り端末」が無料で配布されてます。
端末は消しゴムより小さく軽いです。子供が持ち歩いても負荷は全くありません。
Qottabyのデメリット
「Qottaby」のデメリットは位置情報の「範囲が狭い」ことですね。
「お守り端末」を持った子供は「見守りポイント」という基地局に近づかないと現在地を検知できません。
この「見守りポイント」が隙だらけでかなり限られた場所でしか検知できず、お住まいの場所にもよりますが「学校に着いた」しか検知場所がないご家庭もあるようです。
常に居場所が分かる「子供用GPS」を想像すると「コレジャナイ感」がありますよね。
Qottabyの料金プラン
Qottabyには2つのプランがあります。
- 無料プラン(行政サービス)
- 有料プラン(毎月528円)
親御さんが子供の居場所を確認できるのは「有料プラン」です。順を追って解説します。
Qottaby無料プラン
Qottabyは半強制的に配られるため「行政サービス」と呼ばれる無料プランが用意されています。
無料プランは「万が一の有事」の際に警察が位置情報を活用する行政サービスです。
「迷子」「家出」「連れ去り」「誘拐」など子供が行方不明になった時に「Qottaby」の位置情報が役に立つわけです。
事件の早期解決が望めるため有事の際には「Qottabyの保持者」であることを警察に伝えましょう。
少子化が進んでいるとはいえ9歳以下の子供の行方不明者数は「増加傾向」にあるため、持たせておく意義はあると思います。
無料プランでは事件が起きなければ「Qottaby」の位置情報は使用されませんが、「お守り」をぶら下げるより現実的で安心感がありますね。
とはいえ、無くしてしまったり壊してしまった時の「端末再発行代(2,200円)」は自腹です。
紛失しても罰金はありませんので、「Qottabyは要らない」って人は再発行せず放置して良いみたいです。
Qottaby有料プラン
有料プランに加入すると無料の行政サービスに加え、端末を持っている子供の「位置情報」が確認できるようになります。
子供の位置確認は「スマホアプリ」「PCブラウザ」に対応しており料金は毎月528円です(支払い方法はクレジットカードのみ)
他社製品の「子供用GPS」と比較しても金額は安い方ですが、個人的に「Qottaby」の有料プランは否定的です。
その理由は「位置情報サービス」が中途半端だからです。
Qottabyの「見守りサービス」はGPSではなく「ビーコン」という規格を採用しているため検知力不足が否めません。
この地図は福岡市西区西都周辺の「見守りポイント」です。
(自分の地域を調べたい人は公式サイトの「見守りポイントマップ」でチェックして下さい)
ピンマーク📍の付いた「見守りポイント」が位置情報を検知できる場所ですが、それ以外のエリアにいる場合は検知不能です。
Qottabyが採用している「ビーコン」は、モノとモノをセンサーで検知するため、「見守りポイント」のような基地局が必ず必要になります。そのため圏外が非常に多いです。
ほっともっとで Qottaby(キューオッタバイ)のラベルが貼られた何かを見つけた。これって楽天UN-LIMITのSIM挿してバンド固定するやつでは? pic.twitter.com/UiXwWGrfbu
— Matsuoka (@matsuwoka) March 9, 2021
店舗型の企業や公共施設が協力して「見守りポイント」は増えているようですが、正直まだまだ隙間だらけです。
田舎になるほど「見守りポイント」の設置数が少なくなるため、西都エリアのご家庭では「有料プラン」の評価が低いです。
Qottaby有料プランのメリットは「見守り端末補償」ですね。
故障した時の無料交換はよくありますが、紛失時でも新しい端末が送られてくるサービスはなかなかありません。
おすすめの子供用GPS
圏外だらけの「Qottaby」有料プランで毎月528円支払うなら、mixi社が販売する「みてねみまもりGPS」がオススメです。
初期費用として端末代がかかりますが、月額使用料は「Qottaby」と同じ528円。GPSタイプでは最安値ですね。
ドコモLTE網を使用しているため屋外なら位置情報をほぼ検知してくれます。
Qottabyのまとめ
最後に「Qottaby(キューオッタバイ)」についてまとめます。
Qottabyは九州電力が提供する「見守りサービス」です。
福岡市と協働で実施している「子ども見守り事業」で採用されており、福岡市内の小学生には無料で端末を配布しています。
Qottabyの料金は「無料プラン」と「有料プラン」があります。
無料プランは子供に端末を持たせるだけで、親御さんは子供の位置情報を確認はできません。「有事」の際に警察が位置情報を利用するのみです。
子供の位置情報を確認できるのは月額528円の「有料プラン」ですが、圏外エリアが多いため評価が低いです。
さすがに学校には「見守りポイント」が設置してあるため「学校に着いた」「学校を出た」などはほぼ確実に通知されます。
最初の数日は「お、無事に着いたか」と楽しいのですが、1週間もすると慣れてしまい、これは意識の問題なのでしょうが「この通知は必要なのか?」となりました。
もちろん子供の行動範囲も関係していると思いますが、お試し期間が過ぎたら有料プランは終わりにします。
入学式の日とか何日も前から決まってたし、それに備えて対策するのが有料サービスなのでは?これが初めてじゃないし有料契約してから5回目よ?あと返金お願いしたのにその件は一切触れず理由をちくちく言ってごめんねーで終わらせてる。#九電 #Qottaby #システム不具合 #いい加減にしろ pic.twitter.com/oDrVxAF4E3
— 秋香澄 (@ayasusti261) April 15, 2021
システム不具合も多いようで、通知が来ないことによって「学校に着いてない?」と勘違いしてしまうケースも考えられます。
子供の位置情報が必要な環境下であれば、mixi社が販売する「みてねみまもりGPS」がオススメです。
月額料金はQottabyの有料プランと同じ528円。初期費用として端末代がかかりますが、GPSを使っているため屋外であれば位置情報はほぼ完璧に検知できます。
IT屋として「Qottaby」の発想はとても面白く今後の動きにも注目したいところですが、親の身になって考えてみると「Qottabyは無料プランで十分」という結論です。
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