日本eスポーツ連合(JeSU)と、日本のトップゲーマー「ももち」選手の争いが続いています。
9月15日行われた、「カプコンプロツアー2019」ついうeスポーツ大会において、
優勝賞金が500万円から10万円に減額され、再び議論を呼んでいます。
2018年12月に開催されたカプコンカップでも賞金50万円が10万円に減額。
ももち選手が賞金を減額されたのは今回で二度目ということですね。
減額について大会主催者側は、日本eスポーツ連合(JeSU)の発行するプロライセンスの保持について発信してあり、
ももち選手もこの条件を理解した上で大会に出場しています。
なぜeスポーツにプロライセンスが必要なのか?賞金が減額される事態が起きるの?
今回はeスポーツ界の抱える問題点について触れていきます。
日本eスポーツ連合(JeSU)とは
日本eスポーツ連合(JeSU)とは、eスポーツの普及や選手の育成、そしてプロライセンスを発行する団体です。
「日本eスポーツ協会」「e-sports促進機構」「日本eスポーツ連盟」を統合して作られました。
eスポーツがオリンピックの正式競技になった場合、団体が乱立していると出場できない可能性があるので統合したそうです。
- 会長:岡村秀樹(株式会社セガホールディングス代表取締役社長)
- 副会長:浜村弘一(株式会社KADOKAWA シニアアドバイザー)
- 理事:株田実
- 理事:平方彰(株式会社HSBC 代表取締役)
- 理事:鈴木文雄(株式会社SANKO代表取締役社長)
- 理事:辻本春弘(株式会社カプコン代表取締役社長
- 理事:早川英樹(株式会社コナミデジタルエンタテインメント代表取締役社長)
- 理事:越智政人(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社取締役)
- 特別顧問:渡邊 守成(国際体操連盟 会長)
- 特別顧問:岩上 和道(公益財団法人 日本サッカー協会 副会長)
- 特別顧問:戸張 捷(公益財団法人 日本ゴルフ協会 常務理事)
- 特別顧問:太田 雄貴(一般社団法人 アーバンスポーツ支援協議会 副会長)
すごい顔ぶれですね。
理事にカプコンの社長の名がある通り、カプコン系の大会は今後も日本eスポーツ連合の元で開催されると思われます。
プロゲーマー百地祐輔(ももち)
一方、賞金が減る事を承知で大会に出場した「ももち」こと百地祐輔氏。
彼は2010年から海外のeスポーツ大会でも活躍し、2011年に北米最大のプロチーム「Evil Genius」とスポンサー契約を結んだプロゲーマーです。
ストリートファイターシリーズを得意とし、日本だけでなく海外でも活躍する現役。
日本eスポーツ連合の母体となる日本eスポーツ協会の設立よりずっと昔からプロゲーマーという立場にいた人物です。
また、自らがプレイヤーでありながら会社を立ち上げ、プロゲーマーの育成など日本のeスポーツ界に携わっています。
日本eスポーツ連合(JeSU)の問題点
競技タイトル問題
日本eスポーツ連合にはいくつかの問題点が指摘されています。
何だか胡散臭いというふわっとしたもではなく、やはり役員の構成が問題視されています。
世界中で人気を集める、eスポーツのゲームのディベロッパーが、国のeスポーツ協会の中に加盟することは、海外ではまずないんです。それがあるのは、おそらく日本ぐらいしょう。「本当のeスポーツ」の普及を目指す
eスポーツ大会の種目タイトルが関係します。
日本eスポーツ連合に加盟しているメーカーのゲームでしか開催されず、世界中で開催される人気ゲームでも無視される恐れ。
いわゆるeスポーツ鎖国問題。
ゲームメーカーが参入したい気持ちは重々分かりますけどね。
日本でしか流行っていないゲームタイトルで大会を開催するのは、日本のeスポーツ市場を育てるという意味でもありだと思います。
- ウイニングイレブン 2019
- ストリートファイターV
- 鉄拳7
- デッド オア アライブ6
- パズドラ
- 『ぷよぷよ』シリーズ
- モンスターストライク」
- レインボーシックス シージ
- GUILTY GEAR Xrd REV 2
- BLAZBLUE CENTRALFICTION
- BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE
パズドラにモンストかぁ。
面白いゲームだけど、オリンピック出場を目指すならもう少し国際基準に合わせるべきじゃないかな🤔
ただでさえ日本はeスポーツ後進国なのだから。
プロライセンス問題
もう一つが、今回の騒動にも関連した「プロライセンス」について。
eスポーツの高額賞金は景品表示法によって上限が規制されるのではないか?
元々こんな議論が昔からありました。
そこで日本eスポーツ連合が、「プロ化することによって高額賞金を受け取ることができる」とし、ライセンスの発行に着手したとされています。
後に、高額賞金を出しても問題ないという結論が出ますが、プロライセンス制度は相変わらず残したまま。
日本のeスポーツ界を牛耳りたい目論見がみえみえ問題。
やはり胡散臭い印象は拭えません。
eスポーツの第一線で活躍する百地氏の言葉を一部抜粋すると、
「なぜ新設される予定の特定の団体に“プロを定義”する資格があるのか」
今までその定義を自分たちなりに模索してきて、今現在も現在進行形で探し続けている自分からすると「あなたたちは誰ですか。ゲームが好きな方々なんですか。」という思いが生まれてしまいます。
プロライセンスは一体誰の為に発行するのか?
一部の人達の金儲け、または利権の為ならそれは許されず、プレイヤーを置いてけぼりにした制度なら賛同しないというのが百地氏の立場です。
※あくまで個人の考えであり、団体に所属した人や企業を批判している訳ではない。
賞金が10万円に減らされても頑なにプロライセンスを取得しない理由がこれ。
その場で取得すれば500万円貰えるのに断るって凄い。
一本筋の通った行動とフレンドリーな性格が受けて、百地氏を支持する人は多いです。
日本のeスポーツ業界はどうなる?
世界でトップクラスのゲーム市場を持ちながら、eスポーツでは発展途上という日本。
上記で取り上げた日本eスポーツ連合の透明化(利権問題)に加え、
一般的には「所詮ゲーム大会でしょ?」と認識する人も多く、「スポーツ」としてまだまだ認知が足りないのが現状です。
選手が楽しむだけならゲーム大会で十分成り立ちますが、”eスポーツ市場”として扱うなら支援団体の協力も不可欠。
利権を守る為に賞金を下げるような姑息な手段を取る団体、と思われない行動を切に祈ります。
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