大人気スマホゲーム「原神」について解説します。内容は「インストールの危険性」「課金のリスク」「サービス終了説」など、原神で遊ぶ時に心得ておきたい事項です。
世界的人気ゲームなのに物騒な単語が並びましたが、原神の運営と開発をするmiHoYoは「中国の企業」です。
miHoYoが優良企業だとしても、中国政府はゲーム企業を敵視しているため、「中国産のゲーム」というだけでリスクを抱えてます。
原神とmiHoYoに対する個人的な評価はかなり高いのですが、「中国政府のゲーム規制」や「中国に対する国際情勢」などを考えると一抹の不安が拭えません。
今回の記事は、原神のネガティブなネタを含みますが、厳しい環境下で頑張っているmiHoYoを応援するものです。※筆者は原神ファン&プレイヤーです。
原神の概要
原神は2020年9月にリリースされた「オープンワールド型のアクションRPG」です。スマホ・パソコン・プレイステーションを持っていれば基本無料で遊べます。
原神の開発・運営は「崩壊学園シリーズ」で知られるmiHoYoです。中国の企業ですが、miHoYoの創設者達は「日本のオタク文化が大好き」であるため、美少女好きなオタク向けゲームが主体となっています。
リリース当初は「ゼルダのパクリ」「スパイウェアが入っている」「課金がエグイ」「人種差別」など多方面で炎上した問題児ですが、1年過ぎた現在では世界で愛されるゲームになりました。
開発費200億円をリリース1週間で回収した逸話は、ゲーム業界で伝説となっています。アプリゲーム開発費の相場はメジャーなタイトルでも5億円ほどなので、原神のクオリティがいかに高いか?が想像できると思います。
炎上した原神のスパイウェア疑惑
原神のリリース時に最も炎上した事件は、PC版の「スパイウェア疑惑」です。PC版には「チート対策プログラム」が組み込まれており、これがスパイウェアとして炎上しました。
PC版 #原神 #スパイウェア 疑惑、アンチチートの範疇なのかは分からないけれど、一度インストール&起動すると常駐し終了しても起動し続ける。アプリをアンインストールした後も残って、起動し続けるのは気持ち悪い。再起動するかsc stop mhyprot2で止まるけど、変なものが残っている状況は変わらず。 pic.twitter.com/RDBUL2t4a9
— ほげほげ (@hogehoge_maru) September 28, 2020
原神のチート対策プログラムは、原神をプレイしていない時にもバックグラウンドでPCを監視したり、原神本体をアンインストールしてもチート対策プログラムは削除されず、パソコンをこっそり監視してました。通信先はもちろん中国です。
「原神をプレイしていないのに、継続的に中国と接続している」だけでなく、「miHoYoは中国企業」ということもあり、スパイウェア説が世界中に拡散されますが、早い段階で原神のチート対策プログラムは修正されています。
現在のチート対策プログラムはバックグラウンドで動くこともなく、原神をアンインストールすれば同時に削除される仕様です(参照:アンチチートプログラム(anti-cheat)について)
中国はチーター大国なのでmiHoYoのチート対策も理解できますが、ちょっと過剰だった感が否めません。
スマホ版の原神は安全なのか?
原神をスマートフォン(Android/IOS)でプレイしている人は多いと思いますが、スマホ版原神にPC版のような怪しいスパイウェア騒動はありません。
スマホ版原神で求められる権限は「メディアライブラリへのアクセス権限」です。原神アプリは、端末の連絡先や位置情報などにアクセスできない仕様となっています。
また、スマホアプリにクレジットカードで課金しても、運営会社が把握できるのは「決済番号のみ」です。原神に課金してもmiHoYoに個人情報が渡ることはありません。
以上のことから、現状のスマホ版原神はまぁ安全と言って良と思いますが、「連絡先や位置情報の権限」をアプリから求められるようになったらちょっと危ういです。
今後、中国国内のゲーム規制が厳しくなったり、miHoYoが中国共産党に目を付けられたり、国際情勢が進展したりすると、売上絶好調の原神がサービス終了という可能性も出てきます。
次の項目でまとめて解説します。
原神の危険性やサービス終了リスクについて
原神は世界各国でプレイされている大人気ゲームです。
200億の開発費は2週間で回収し、ガチャ更新やバージョンアップされれば各国のセルラン1位になるくらい絶好調です。
普通に考えれば原神を運営するmiHoYoは安泰です。余程のことが無い限り、現状のクオリティを維持したまま七国のシナリオを配信し終えると思いますし、いちユーザーとしても楽しみにしてます。
懸念材料があるとすれば、「中国共産党の方針」と「中国に対する国際情勢」です。たかがゲームの話なのに、難しい内容になってきましたが、簡単に解説していきます。
中国企業の危険性
コメントでご指摘頂いた「中国企業の危険性」を追記します。
中国は「中国共産党」が絶対トップの社会主義国家です。個人だろうが法人だろうが政府の命令に逆らえません。
miHoYoは中国にある生粋の中国企業ですので、事実上「中国共産党の支配下」にあります。
確定情報ではありませんが、現段階で「miHoYoが持っている個人情報が中国政府に提出されている可能性」は十分考えられます。(国家情報法wiki)
原神アプリ内で個人情報の収集を行った形跡はありませんが、「ソーシャルログイン」を利用している方は要注意です。
安全性最重視の人は「中国製品・中国製アプリ」を避けて下さい。原神は中国製アプリです。
それでも原神をプレイしたい人は「捨てアド」を推奨します。
原神の母国、中国のゲーム規制が年々強化
miHoYoの本社がある中国では、ゲーム規制が年々厳しくなっています。「ゲームは精神的アヘン」としており、絶好調に見える原神も規制の影響を受けながら運営されています。
中国政府はゲームに対する規制を強化し続けており、実名を入力しないとゲームができないシステムやゲームのプレイ時間を制限するための顔認証機能などを実装し、さらには週3時間以上のオンラインゲームを禁止する規則まで制定しています。そんな中国では、ゲームライセンスの発行停止に伴いゲーム関連企業が2021年だけで1万4000社も倒産していることが明らかになりました。5カ月で1万4000社が倒産
中国のゲーム市場は、「利用者にはプレイ時間制限」「運営者はライセンス制度」の規制が設けられています。
ライセンスは「キャラクターの露出度」や「同性愛」「女っぽい男キャラ」などにも言及されているようです。
原神の魅力の一つは「可愛い女性キャラ」です。セクシーな衣装を着た可愛い女性キャラを自由に動かし、広大なマップを探索するのが楽しいゲームなのですが、肌の露出を控えるように修正が加速してます。
【ニュース】『原神』女性キャラ4人の“肌隠し”系衣装発表。日本では追加扱いも、中国では強制差し替え濃厚でお詫びhttps://t.co/ElMflqtBNi pic.twitter.com/QxfqObVWZn
— AUTOMATON(オートマトン) (@AUTOMATONJapan) January 5, 2022
原神の水着スキンが水着っぽくないと言われているが、公式は『水着』という単語は一切言っておらず『新コスチューム』としか言っていない。
更に中国版だと規制されており、今中国厳しいみたいなのでおそらく本当に水着ではない。 pic.twitter.com/LwQ3MnaE4M— 闇のえふはち (@f8iso100) June 7, 2021
しかし中国規制当局…原神のこのキャラデザインにもダメ出ししてくるとは…何がダメなの?て調べたら女性っぽい男性はアウトなんだそうな。そういえばパラオリの中国代表で男性っぽい女性がいたような…#原神 pic.twitter.com/tsg4LIQJXS
— ☘️ミコパパ仮想通貨@コメダ珈琲☘️ (@Yamamu1717) September 30, 2021
原神には禁止ワードも沢山あります(原神だけじゃない)
俺氏、名前に天安門、天安門事件、独立国家台湾と入れただけで無事1週間のアク禁をくらう。中共の言論規制しゅごい。#原神 pic.twitter.com/wyBVgrjxpB
— ヨブ・トリューニヒト (@Trunicht) September 29, 2020
原神のチャット欄で削除される言葉
新疆
台湾
香港
民主
雨傘運動
天安門(^ω^ ≡ ^ω^) pic.twitter.com/e4RcpaD7HG
— _ (@a246643) June 6, 2021
中国はNGワードの宝庫です。中国企業が進んで言論統制しているというより、中国政府から目を付けられないようにNGワードを厳しくしているのが正解だと思います。
話を戻しますが、ゲーム規制だけでなく、中国の法律は中国政府(中国共産党)のさじ加減で決まります。反意を示せば秒で潰されるので、中国の個人・法人は従うしかありません。
中国政府「魔法とか魔術とかゲームでも禁止な」…この一言で原神は終わります(原神だけじゃない)
miHoYoに限ったことではありませんが、中国企業の多くは中国政府の締め付けにヒーヒー対応しながら経営してます。
諸外国の対中強硬姿勢
中国政府の一方的な方針に従うmiHoYoですが、外部からの圧力も油断できません。
現在、アメリカをはじめインドや欧州主要国は、中国に対して強硬姿勢を示しています。
ファーウェイやTikTokは安全保障上の理由から、北京五輪の外交的ボイコットはウイグル族への人権侵害を理由に、世界的な「ちょっと中国を懲らしめようブーム」です。
現状のmiHoYoが諸外国から規制される理由はありません。むしろ中国国内のゲーム規制の方が厳しため、原神は他のアプリより健全です。しかし、中国を懲らしめようブームに巻き込まれると、健全な原神も油断できません。
とは言え、トランプからバイデン政権になってから「中国アプリ排除策」は多少緩和しているので、多分大丈夫です。
miHoYoの子会社「COGNOSPHERE PTE. LTD.」
厳しい状況の対応策か分かりませんが、PC版原神を配信する「Epic Games Store」のパブリッシャーが、2021年末に「COGNOSPHERE PTE. LTD.」へ変更されました。
「COGNOSPHERE PTE. LTD.」はシンガポールにあるmiHoYoの子会社です。デベロッパーとパブリッシャーが分かれていることはゲーム会社によくあることですが、世界的メジャータイトルの原神が今回のようなタイミングでパブリッシャーを分けた理由は、「中国政府の規制逃れ」と噂されています。
2022年1月現在、Android版原神の配信元も「COGNOSPHERE PTE. LTD.」になっているため、miHoYoのままのios版原神も間もなく変更されると予想されます。
miHoYoが逃げ切れるか、それとも「らんらんるー」されてしまうのか?気になるところです。
原神のサービス終了はデマ
中国のゲーム規制は年々厳しくなっていますが、現段階で「原神がサービス終了する」という噂はデマです。
「フォートナイトが中国を撤退」というニュースに尾ひれはひれがついて原神界隈にサ終デマが流れました。
フォートナイトは、中国の厳しいゲーム規制によって撤退したわけですが、原神とは関係ありません。株主のテンセントが中国企業だとかも関係ありません。純粋に「中国ではやってられんわ」と逃げ出しただけです。
原神がサービス終了するとしたら、七国全てのシナリオを配信して終わる大団円の可能性が高いですが、「中国政府のゲーム規制」や「中国に対する国際情勢」などの外的要因によってサービスが終了する可能性はあるので、重課金している方は心して下さい。
僕はたまに天空紀行を開放する程度に抑えてます。
コメント
中国には『国家情報法』が存在します。
そのうちに以下の内容が存在します。
『いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない。国は、そのような国民、組織を保護する。』
つまり、「中国国民・中国企業は、中国政府の指示があればスパイとして活動する義務がある」ということです。
この法律がある以上中国企業は中国政府の命令には法律的に逆らえません。
この事実に触れずに『安全である』と言うのはさすがに無責任です。
もちろんmiHoYo自体が悪意があるかどうかはわかりませんし、
彼らを応援したいと思う気持ちもわからなくはありません。
しかし、事実は事実として伝えてそのうえでプレイヤーになるかを判断させるべきであり、
安易に大丈夫である情報ばかり伝えてリスクに触れないのは他人に勧める立場としては問題があると思います。
コメントありがとうございます。
失念していたことも含めて追記しました。